【卒業生寄稿】水と生物を探求した学生時代―フィールドの学びを水族館の現場へ、三嶋達郎さん(水族館勤務)
卒業生寄稿 2026年09月19日
私は、碧南海浜水族館で学芸員として勤務しています。

三嶋達郎(みしま たつろう)さん
バックヤードツアー中の様子
主な職務は展示生物の飼育管理をはじめ、解説パネルの作成、企画の立案・運営、教育普及活動などです。

アズマヒキガエル水槽の掃除
フィールドの景色を水槽の中に
展示において重視しているのは、単に生物を綺麗に見せることだけではありません。
生物が暮らしている環境を可能な限り再現し、来館者の方々に生きものの生態や自然の美しさをリアルに感じてもらえるよう工夫しています。
特に淡水魚や両生類の展示水槽では、コケやシダなどの植物を植栽し、生息環境を再現したレイアウトを作っています。
そこには、在学中のフィールドワークで見た河川や森林の景色、現地の空気感がそのまま活かされています。

ヒガシヒダサンショウウオの展示
水と森のつながりを学ぶ
子どものころから生きものが好きで、昆虫や熱帯魚、カメなどを飼育していましたが、環境や生物についてより深く学びたいという思いから岐阜大学へ進学しました。
流域管理学研究室に所属し、学部生の頃は森林環境と降雨の関係に着目した樹冠遮断(雨水が樹木の葉や枝に捉えられる現象)の研究を行いました。
この時期に水循環や森林生態の構造をマクロな視点で学んだことが、現在の自然環境を捉える基礎となっています。
水と生物を結ぶ環境DNA研究
修士課程では、大好きな生物に直接関わる研究がしたいと考え、水環境と生物を結びつける環境DNA分析の研究に取り組みました。

演習林での採水
環境DNA分析とは、川や海の水、土壌などの環境中に残された生物由来のDNA断片を採取・分析し、その場所にどんな生き物がいるかを調べる技術です。
岐阜大学の演習林に通い詰め、サンショウウオやカエルなど両生類の調査と採水を行いました。
経験から生まれた挑戦
現在、私は水族館内のビオトープにおいて樹幹流(枝葉への降水が幹の表面を伝って流れてくる雨水)から昆虫の環境DNAの検出を試みています。
これは、学部での"樹冠遮断"と修士課程での"環境DNA"という、一見異なる2つの研究経験が掛け合わさることで生まれた取り組みです。
水族館内ビオトープでの採水
学びの翼を広げる
大学時代は、自分の「好き」や「興味」をどこまでも掘り下げられる貴重な時間です。
岐阜大学には、豊かな自然と恵まれたフィールド、そして多様な研究の選択肢が揃っています。
ぜひ興味の幅を限定せず、自ら現地に足を運び、たくさんの「本物」に触れて自分の可能性を広げてください。
碧南海浜水族館
三嶋達郎さん
(略歴)
岐阜大学応用生物科学部卒業、大学院応用生物科学研究科修了後、
碧南市役所に就職、碧南海浜水族館に配属
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