【卒業生寄稿】夢中になったフィールドワークや写真撮影が、今につながった、東 義詔さん(植物園勤務)
2026年07月14日
私は富山県中央植物園を指定管理している「花と緑の銀行 中央植物園部」に勤務し、企画情報課に所属しています。主な業務は、植物園の広報や展示企画の立案、マスコミ対応などです。植物の魅力をより多くの人に伝えるため、写真や動画を活用した情報発信にも力を入れています。
富山県中央植物園(花と緑の銀行)
東 義詔(あずまよしつぐ)さん
岐阜大学大学院連合農学研究科2026年3月
博士学位取得

春の富山県中央植物園
例えば、植物を一定間隔で撮影した写真を動画化することで、普段は認識することが難しい植物の"動き"を視覚的に紹介し、解説しています。こうした取り組みを通して、来園者の植物への関心を高め、その魅力を広く発信しています。

植物園の夜間イベントで開花した花の映像を解説

人気企画「オオオニバスに乗ってみよう」の様子
私が植物に強く惹かれるようになったのは、岐阜大学農学部(現・応用生物科学部)に在学していた頃でした。多様性保全学研究室に所属し、植物の有性繁殖器官である「花」の形態や生態学的機能について学びました。同時に、フィールドワークにも熱中し、多くの時間を岐阜の山々で過ごし、植物の観察に没頭していました。そこで出会った花々の美しさに魅了され、「植物との一期一会を記録に残したい」と考え、写真撮影を始めました。
大学院博士前期課程では沖縄県西表島に滞在し、海産単子葉植物群である海草(ウミクサ)の研究に取り組みました。海草研究の魅力は、海中で見られる独特な開花現象や繁殖生態、そして進化の過程を探求できることにあります。また、在学中に「ベニアマモ」の有性繁殖器官を国内で初めて採集するという貴重な経験にも恵まれました。

研究のフィールドである富山湾で海草の観察
修了後は種苗関連会社に就職しましたが、植物研究や植物の魅力を伝える仕事への思いを諦めきれず、現在の植物園へ転職しました。植物園での業務に携わる傍ら研究活動も継続し、博士後期課程に進学して博士(農学)の学位を取得しました。
学生時代に夢中になったフィールドワークや写真撮影が、今の私の仕事につながりました。研究だけでなく、興味を持って続けてきたことは、将来のキャリア形成へとつながるものです。ぜひ、自分が心から"面白い"と思えることを見つけ、それを大切に育んでほしいと思います。

学生時代(2006年)のフィールドワーク(注:現在は、林内でのフィールドワークではヘルメットを着用して実習を行っています。)
たとえ失敗や遠回りに感じる経験も、後から振り返れば必ず自分の糧になります。学生時代だからこそできる挑戦を恐れず、多くの経験を積みながら、自分だけの強みを見つけてください。
私にとって、岐阜大学での学びや出会いは、現在の仕事や研究活動の原点です。皆さんも岐阜大学で、自分が心から「面白い」と思えることに出会い、それを追求してください。
富山県中央植物園
東 義詔さん
(略歴)
岐阜大学農学部卒業、大学院農学研究科修了後、種苗会社に就職
公益財団法人 花と緑の銀行(富山県中央植物園)に転職し、2021年度 日本植物園協会 坂崎奨励賞受賞
岐阜大学大学院連合農学研究科にて、博士(農学)を2026年3月に取得

