研究内容
研究内容
研究テーマ①カルシウムの機能性解析
カルシウムは体内で最も多い金属元素であり、その99%は骨として体の中にあります。残りの1%は細胞の中と細胞の外を流れる血液などにあります。細胞内と体の中を流れるカルシウムは筋肉の動きや神経の情報伝達などを支える重要な化学物質です。国民健康・栄養調査が示すように成人の平均カルシウム摂取量は推奨量の3分の2でしかありません。近年、食事として食べるカルシウムが小腸からのホルモン分泌を介して食欲を抑制することが明らかになりました(https://doi.org/10.1093/jn/nxab013)。
私の研究室では、食物繊維や難消化性オリゴ糖などの食品成分で報告されているカルシウムの吸収促進作用を小腸および大腸の機能と形態から解析しています。また、カルシウムの欠乏と筋力との関係にも着目した研究を行っています。
研究テーマ②全粒粉の肝臓コレステロール改善作用の機序解析
全粒粉は穀物を丸ごと粉末にした食品素材です。現在、パンだけでなく、麺などにも利用され、その健康機能が注目されています。ヒトに全粒粉を組み込んだ食事を食べてもらい、その機能を研究した論文では効果が確認されたり、されなかったりという矛盾が報告されています。現在、全粒粉は心臓の病気を予防することが明らかにされつつありますが、その作用機序は研究が続けられています。
私の研究室では、全粒粉は脂質などの食事組成によって効果の有無が説明できるのではないかと考え、研究を行っています。言い換えると、この研究では、体に良いとされている食品は健康なヒトがバランスの整った良い食事を食べている場合には効果がないのではなく、予防効果を発揮していることを明らかにしたいと考えています。