【論文発表】Trends in Plant Scienceに論文「Synergistic and antagonistic pleiotropy of STOP1 in stress tolerance」が公開されました

2021年07月09日

私達研究グループが解析を行っているジンクフィンガー転写因子STOP1（SENSITIVE TO PROTON RHIZOTOXICITY 1）について、最近の知見を含むopinion論文です。

STOP1転写因子は、シロイヌナズナの様々なストレス耐性遺伝子を制御しています。多くの植物で相同遺伝子が同定されています。根では、STOP1はリン酸欠乏条件下でのアルミニウムおよびプロトン耐性、ならびに根のリモデリングを制御し、これが相乗的に酸性土壌ストレスへの耐性を向上させます。根におけるSTOP1の主要なターゲットであるリンゴ酸トランスポーターALMT1は、酸性土壌、アルカリ性土壌、生物的ストレスに対する耐性レベルなど、STOP1の多面的な効果を制御する重要なタンパク質です。一方、地上部では、STOP1は細胞質のpHを制御することで低酸素耐性を付与しますが、カリウムイオン輸送を制御することで乾燥耐性を抑制します。

Synergistic and antagonistic pleiotropy of STOP1 in stress tolerance
Ayan Sadhukhan, Yuriko Kobayashi, Satoshi Iuchi, Hiroyuki Koyama
Volume 26, Issue 10, October 2021, Pages 1014-1022

https://doi.org/10.1016/j.tplants.2021.06.011 photo: licensed under CC BY-NC-ND 4.0