国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 応用生物科学部

生物有機化学研究室(有機合成化学)

研究内容

脳の生命現象を可視化する分子プローブ研究

研究概要

 当研究室では、有機合成化学を基盤にPET (Positron Emission Tomography, 陽電子放出断層撮影) を中心とした分子プローブの設計・合成を行い、脳の免疫細胞の変化、炎症・代謝異常などの生命現象を分子レベルで可視化する研究を進めています。これにより、中枢神経系疾患の病態解明・薬物動態解析・創薬研究に資する基盤技術の確立に取り組んでいます。
 分子イメージングは、疾患理解から診断・創薬までをつなぐ学際的な研究領域です。当研究室では、プローブの合成から評価、イメージング解析まで一貫した研究体制を整え、中枢神経系疾患の早期診断や治療につながる先端的なイメージング技術の創出を推進しています。

主な研究テーマ

① 脳内のグリア細胞を可視化するPETプローブの開発 

 アルツハイマー型認知症や多系統萎縮症、神経膠腫をはじめとする多くの中枢神経系疾患では、脳内のグリア細胞が疾患発症や病態進行に深く関与しています。当研究室では、CSF1RやTSPOなどのグリア細胞に発現するタンパク質を標的とした高選択的PETプローブを開発し、グリア細胞の状態変化を生体内で定量化するイメージング手法を確立します。

② 新規11C標識合成方法の確立

 PETプローブ開発には、短寿命放射線核種である11Cや18Fを効率よく分子に導入するための標識化合成技術が不可欠です。当研究室では、新規標識化反応の開発に取り組んでおり、従来法では合成が困難であった分子の放射性標識化を可能にし、分子イメージングの応用領域を拡張することを目指しています。