国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 応用生物科学部

動物生産管理学研究室

研究内容

地球上に生息する動物は、周りの環境から常に何らかの影響を受けています。特に地球の公転周期や自転周期に沿った時間のリズム(季節や1日24時間など)は、太古の昔から地球に存在し、動物たちに強く影響を与えています。動物は厳しい環境に適応するため、地球の時間リズムに自らの『体内時計』を同調させることで、生存競争を勝ち抜いてきました。我々の祖先が獲得したこの体内時計は、身体の様々な生理機能をコントロールすることが知られていますが、まだ多くの謎が残されています。現在、体内時計がどのようなメカニズムで身体の生理機能をコントロールしているのか、体内時計の乱れと様々な病気との関わりなどが広く研究されています。

私たちの研究室では、環境が動物の体内時計と身体の生理機能に与える影響を探っていく研究を行っています。そしてこれを応用し、岐阜県の飛騨牛の生産性向上に繋げることを目指しています。例えば、牛の飼育環境を心地よい空間にしたり、給餌のタイミングを変えたりすることで、牛の体内時計を最も生産性の高い生体リズムに合わせることができるかもしれません。こうした研究と並行して、遺伝子改変マウスや体内時計を狂わせたマウスを用いた、基礎的な研究も行っています。様々な飼育環境への適応と体内時計はどのように関わるのか、体内時計の異常はどのように生理機能に影響するのかを研究し、体内時計の秘密を探っています。

主な研究テーマ

  • 飼育環境が動物の生産性に与える影響について
  • 生体リズムと動物の生理機能に関する分子生物学的な研究
  • 遺伝子改変マウスを用いた行動発現のメカニズム解明および生体リズムに関する研究