国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 応用生物科学部

野生動物資源学研究室

【受賞】第66回治山研究発表会で優秀賞を受賞

2026年9月10日・11日にパルテノン多摩(東京都多摩市)で開催された第66回治山研究発表会において,前田工繊株式会社と岐阜大学野生動物資源学研究室による発表
「伊吹山における特殊ネットを用いたシカ対策と植生回復事例」
優秀賞を受賞しました。
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第66回治山研究発表会は,林野庁,森林総合研究所,治山研究会,治山懇話会で構成される実行委員会により開催され,治山・森林造成,環境調和,新工法,効果評価などに関する研究・技術発表が行われました。

本研究では,シカによる採食圧によって植生の衰退や裸地化が進む伊吹山東斜面において,シカなどの偶蹄類が歩行しにくい構造を持つ特殊ネットを用いた侵入抑制と植生回復の効果を検証しました。2025年6月に約25 m²の試験区を設置し,シカの侵入状況と植生の回復過程を継続的に調査しました。

施工2か月後には,特殊ネットで保護した区域の植被率が81.3%となり,区域外の9.17%と比較して顕著な植生回復が確認されました。また,保護区域内では食害や足跡,糞も確認されませんでした。さらに,区域内では判別可能なものだけでも約30種の植物が確認されるなど,シカの採食圧を抑えることによる植生回復効果が示されました。

冬季には1 mを超える積雪がありましたが,特殊ネットに流出や変形はみられず,翌夏にも植生の回復が継続していました。今回の成果から,特殊ネットによるシカの侵入抑制が,防護柵とは異なる新たなシカ対策として,植生の自然回復や斜面環境の保全に活用できる可能性が示されました。

今後も企業との共同研究を通じて,野生動物による植生被害の軽減と,自然環境の保全・回復につながる実践的な技術開発と効果検証を進めていきます。

関連リンク
第66回治山研究発表会・第64回治山シンポジウム(治山研究会)