国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 応用生物科学部

野生動物資源学研究室

【講演】所産業にてクマ関する安全研修会の講師を務めました

所産業株式会社の安全衛生大会において,「クマとの遭遇に備える現場の安全管理」と題して,講演しました。

本研修会では,山林や林縁部など,クマの生息地に近い場所で作業を行う現場作業者を対象に,ツキノワグマとの遭遇を避けるための予防策,万が一遭遇した際の対処法,クマスプレーの効果的な使用方法,事前に準備しておくべき装備や心構えについて解説しました。

講演では,クマ対策の基本を「クマを過度に恐れること」ではなく,「クマと適切な距離を保ち,事故につながる接近を避けること」と位置づけました。特に,出没情報の事前確認,複数人での行動,重機や鈴,ラジオ等による音出し,オイルや食べ物,ごみの管理,クマの痕跡確認,退避ルートの共有など,現場で実践可能な安全対策の重要性を説明しました。

クマスプレーについては,携行しているだけでは不十分であり,すぐに取り出せる位置に装着すること,風向きと周囲の安全を確認すること,噴射距離や使用手順を事前に理解しておくことが重要であると解説しました。現場作業では,個人の経験や判断だけに頼るのではなく,組織として装備,連絡体制,退避判断,記録共有の仕組みを整えることが求められます。

野生動物資源学研究室では,今後も野生動物の生態や行動に関する知見をもとに,地域の安全確保と人と野生動物との適切な距離づくりに貢献してまいります。