国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 応用生物科学部

生産環境科学課程応用植物科学コース

リレーコラム:留学生インタビュー

2023.3.3

植物細胞工学研究室 小林佑理子

博士課程に在籍している国費外国人留学生のコフィ君にインタビューしました。

Q: 自己紹介をお願いします。

A:  みなさん、こんにちは。私はKOUAME Koffi Pacomeです。私はアフリカ西部にあるコートジボワール出身で、フランス語と英語を話すことができます。

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Q: なぜ日本に留学をしようと思いましたか、モチベーションを教えてください。

A: 私が日本への留学を決めたのは、第一に、日本の教育システム、研究設備、日本人研究者の農業分野での経験の質の高さです。第二に、日本は安全で安心な国であり、就職に有利であることです。研究者として、特に農業研究の分野で、自国の重要な問題を解決するために新しい経験をし、留学生や研究者と知識を共有したいということが留学の動機となりました。

Q: 母国ではどのような勉強をしていましたか?

A: 私の最初の目的は農業のための土壌科学を学ぶことだったため、化学、生物学、地質学を学び、最終的に地質学の学士号を取得しました。また、修士課程では土壌学を専攻しました。修士課程で土壌の品質とカカオの木のミネラル栄養について学んだ後、自分の研究とのギャップを理解するため、植物分子生理学を学びたいと思いました。

Q: コートジボワールでの農業の現状について教えてください。

A:  農業は、GDPの22%、雇用の2/3、輸出収入の60%を占める、私の国で最も重要な分野です。私の国は、チョコレートの原料などになるカカオ豆の生産国のトップです。残念ながら、土壌の酸性化、肥料不足、農薬管理、持続可能な農法、貧困が解決すべき大きな問題となっています。農業研究機関がいくつかあるとはいえ、すべての農家をサポートのためには不十分なのです。私の国の農業状況を改善するためには、まだ多くのことが必要です。政府はもっと農業研究を支援し、肥料を助成し、農家の教育を支援し、民間研究機関の設立を奨励しなければならないと思います。そして何よりも、研究者はアフリカの条件(気候環境)に合わせて研究を進めなければなりません。

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Q:今はどのような勉強をしていて、将来の夢、帰国後の計画はありますか?

A: 現在は、酸性土壌ストレス研究に取り組んでいる植物細胞工学研究室に在籍し、石膏(CaSO4)の土壌酸性度の緩和効果について、植物栄養学的、分子生物学的研究を行っていて、研究を楽しんでいます。博士取得後は、できればポスドクとして研究を進め、より多くの経験を積みたいと考えています。または、研究分野の企業に就職するつもりです。もっと経験を積んだら、自分の国に帰って、熱帯農業研究機関を作り、農家の支援、若い研究者の育成、食糧不安の解消への貢献、国際協力などをしたいです。

Q: 現在の日本の生活はどうですか?コートジボワールの違いで面白いことはありましたか。
A:  日本での生活を楽しんでいます。研究室で忙しい時もありますが、私の国から来た人たちがいるのはラッキーでした。日本と私の国の共通点は、「おもてなし」と「平和」です。日本人は、私の国のように外国人を喜んで助けてくれます。一方、文化や天候は異なります。例えば、2月に日本が-4℃の時、コートジボワールでは45℃(最高気温)です。面白いでしょう?

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Q: 最後に、若い学生さんに研究や勉強の大切さや面白さを伝えるとしたら?
A: 私は、研究を積極的に行うことは、各社会のバックボーンであり、自分の考えや信念を表現するためのより良い方法であると確信しています。また、人間の幸福に貢献できるものを自分で発見することは、とても面白いことです。例えば、私の場合、弱っている植物を、元気に育てることに喜びを感じています。

聞き手:小林