国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 応用生物科学部

高校生・受験生の方

分子生命科学コース(応用生命科学課程)中村浩平准教授

分子生命科学コース(応用生命科学課程)
中村浩平准教授(兵庫県出身)

好奇心をもって、熱中できるものを見つけ出す。

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私たちは、環境中に存在するさまざまな微生物たちの『生き様』を知ろうとしています。微生物たちの環境中における『生き様』を知るとともに、それらを生物工学的アプローチでの応用を試みています。大学では、物事の原理・原則を正しく理解できるよう学んでください。正直言ってこれは大変なことですが、近道はありません(あるかもしれませんが、それは要領というものだと思います)。それをするかしないかでは、次の発展・応用はありません。事実、私もいまだに苦労しています(笑)。

現在もっとも関心のある研究テーマについて教えてください。

微生物を顕微鏡で観察中

私は、嫌気(酸素の存在しない)環境下の微生物の研究を行っています。
われわれのように酸素を呼吸に用いる微生物もいますが、酸素を使わずに酸化鉄(III)、硫酸塩、二酸化炭素などを使って呼吸する微生物もいます。

中でも、二酸化炭素を使って生育するメタン生成菌についての研究を行っています。
メタンは天然ガスの主成分でありエネルギー資源でもありますが、同時に大気中に放出されると温室効果ガスとなります。
このメタンの生物学的 発生源であるのがメタン生成菌であり、その微生物学、生態学の研究を行っています。
また、その生態がほとんど明らかにされていない『嫌気環境中のメタンを酸化する微生物に今もっとも興味を持っています。
地球上の炭素元素の循環を考える上で、重要な存在のひとつと成りうるからです。

この分野を目指すきっかけを教えて下さい。

実験の準備中
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小さなころから、生き物や機械が好きでした。
山や川からさまざまな生き物を家に持ち帰っては母に嫌な顔をされ、拾ってきたテレビなどを兄と一緒にバラバラにして中身を見たりしました(もっぱら自分は、兄がバラバラにしたものを散らかしていただけですが)。
大学を農学系学部にしたのは、正直いえば『一人暮らしのできる大学にいきたい』という点から、自分の学力に合う実家から遠い理系大学の学部を選んだためです(爆)。
しかし、大学でさまざまな知識と出会いを得て、環境問題(今思えば非常に漠然としたものですが)や微生物に興味を持つようになりました。

卒論研究の生分解性プラスチック分解菌の研究から始め、微生物のもつ多様な機能に魅了されて現在に至っています(環境微生物工学研究室)。

大学の教員になっていなかったら、どんな職業を選んでいたと思いますか?

嫌気ボックスで嫌気性菌の実験を行っている中村先生やっぱり、民間企業や研究機関の研究者でしょうね。 科学に携われる仕事なら何でもよかったと思うのですが、やっぱり自分で仮説をたて、実験してそれを証明するという過程が好きなので。

受験生に一言お願いします。

受験生の方へのメッセージ

私のような不純な動機はさておき、自分の納得する大学選びをして下さい。
大学に入ったら、勿論勉強も大切ですが、好奇心をもって何事にもチャレンジしてください。
その中に自分の熱中できるものを見つけられたら、それをやり遂げてください。
そのやり遂げた事実は自信となり、自分の将来において貴重な財産になるはずです。


中村浩平准教授の所属する分子生命科学コース(応用生命科学課程)