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産業動物臨床学研究室

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 平成22年の宮崎県での口蹄疫の発生を契機に、産業動物臨床獣医師の不足が問題になりました。背景として、教育の大学間格差や教育体制が不十分であることが指摘されました。このことを受け、翌年7月、岐阜大学は産業動物臨床学研究室を新設しました。岐阜大学にとって初めての産業動物に特化した研究室です。設置から2年が経ち、現在の研究室のメンバーは、教員1名、学部生6名(4、5、6年生が各2名)で、まだまだ小さな発展途上の研究室です。春には第1期生が卒業します。研究室の目標は2つあります。1つは社会に貢献できる産業動物臨床獣医師を養成すること、もう1つは診療や研究を通じて臨床現場や地域社会に貢献することです。

 教育においては、これまで以上に実践的な教育環境を構築する必要性を感じています。学内の講義や実習では、臨床現場で必要な知識や技術を積極的に取り入れ、学生が習得できる教育環境を整えたいと考えています。卒業時には即戦力として活躍できる人材を育てることが目標です。また、全国獣医系大学の学生を対象に、平成23年から文部科学省の事業として、産業動物臨床獣医師の養成のための実習プログラムを実施しています。多くの学生が産業動物臨床に興味を持ち、将来、臨床獣医師になることを願って、全国の獣医学生のための臨床実習の窓口を担い、全国の農業共済組合連合会(NOSAI)へ学生を送り出しています。

 診療においては、自らの診療技術の向上を目指しつつ、診療体制を充実させ、地域貢献に寄与したいと考えています。二次診療についても、先生方からの診療依頼に対応できる体制を整え、地域獣医療に貢献することを目指しています。研究においては、研究成果を臨床現場に還元することを心掛けています。臨床現場からヒントをいただき、成果をお返しできるように努めます。これまで牛の遺伝病に関する研究をしてきましたが、新たに、肺炎や腸炎などの牛の炎症に関する研究を進めています。生体や培養細胞を用い、炎症のメカニズム解析や治療効果の評価法を構築し、より効果の高い治療方法の検索と開発を目指します。炎症指標には、様々な炎症関連物質があります。まず、牛にとって、あるいは個々の疾患によって、適切な炎症指標を決定し、次に疾患の進行や疾患に対する治療によって、その指標がどのように変化するかを検証します。さらに、治療方法別に効果を評価することで、効果の高い治療法の検索と開発が可能となります。

 まだまだスタートに立ったばかりの若い研究室です。今後一層、県、市町村、NOSAIなどの地域の獣医師の先生方と連携しながら、多くの獣医学生が産業動物臨床に興味を持ち、将来立派な産業動物臨床獣医師になることを願っています。


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