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掲載日:2017年3月27日

【報告】表彰状授与式、卒業・修了祝賀会

応用生物科学部・応用生物科学研究科 表彰状授与式および卒業・修了祝賀会が、平成29年3月25日(土)に行われました。

学部長祝辞 祝賀会の様子



祝辞

ご卒業おめでとうございます。


 本日ここに、多くのご来賓の皆様のご列席のもと、197名の卒業生、90名の修了生を送り出すことが出来ました。大変喜ばしいことと思います。これまでの皆さんの真摯なる勉学に対して心からの敬意を表します。これまで皆さんを支えていただいたご家族や友人達、さらには御指導いただいた先生方に対する感謝の気持ちを忘れないでいただきたいと思います。

 新しい門出を迎えようとしている皆さんの今後の大いなるご活躍を祈念して、少しだけお話をさせていただきます。 私の頭上に掲げてある扁額の言葉「自化自育」は101講義室の「凛乎真摯」と共に我が応用生物科学部の精神となっている言葉で、岐阜高等農林学校第二代校長の草場栄喜先生が訓示で述べられた言葉です。今日は自化自育にまつわる草場校長のお話しを、皆さんの卒業のはなむけといたしたいと思います。


 草場校長は福岡県の旧唐津藩の旧家の次男として明治6年9月1日に産まれました。草場家は代々医者の家系でしたが、農学の道を目指して札幌農学校に進み、島根県松江農林学校長、島根県農事試験場長を経て、本学の前身である岐阜高等農林学校教授、校長を勤められ、昭和28年に享年81才で亡くなられました。在職中には「実用土壌学」や「果樹園芸学」の教科書を著しておられ、私の専門である園芸学の初代教授とも言えます。 「自化自育」という言葉はなかなかその意味を理解しにくい言葉で、私自身も本当の意味を理解できないままにいました。草場先生の資料を色々探している中で、草場先生が妹の福子に宛てた手紙の中に「自化自育」の言葉があり、ようやくその意味を理解することが出来ました。この手紙には今の時代の皆さんにも相通ずる内容が含まれていますので、簡略にお話しいたします。

 人の生き方は、その人が育ってきた過去、今ある現在、そして未来と繋がっている。これまで生きてきた過去に拘れば、考え方や行動は保守的となって進歩がなくなり、往々にして「こうだから仕方がない」、「何をしても変わらない」といった宿命観にとらわれがちになる。今ある現状に拘れば、考え方や行動は刹那主義となり、行き当たり「ばったり」の考えや行動に行き着いてしまう。かといって未来だけを見てしまえば、考え方や行動は空想的となり、急進的となって軽佻矯激(けいちょうきょうげき)「考えが浅く、調子にのって並はずれて激しい言動」に陥ることになる。過去現在未来を充分に把握、理解して、自らが歩んできた過去を認識すると共に、現状を理解し、来たるべき未来の方向を正しく認識することが極めて肝要である。そして「知識」と共に「信念」を持ち、「知識」に基づいて「行動」することを大切に思うことが重要であり、教育の理念もここにある。豊かな教養に基づき「自省」の念を抱いて行動すること、すなわち「自化自育」、人間らしく生きることである。「立派な人」とは、表彰を受けた人や事業に成功した人ではない。学問があり知識があっても、力なるものは湧き出てこない。財産があっても不安を乗り切る確信は決して付与されるものではない。自己の健康と信念、熱心と努力、すなわち自己を知ることである。自己を知れば自信が出来る。是「自化自育」である。

 この手紙から判ることは、『自化自育』とは「自分がこれまで生きてきたこと、そして今ある現状、さらには将来の夢を理解し、教養と知識に基づいて己を知り行動し続けること」という意味であると考えます。


 皆さんは、本日、教養と知識を持つ「学士」、「修士」の学位を授与されました。 過去にとらわれることなく、現状に奢ることなく、将来を夢想することなく、自省の念と共に成長し続けること。凜乎真摯の信念に基づいて自ら成長し行動しようと心掛けることが「自化自育」です。 岐阜大学応用生物科学部を卒業する皆さんに、幸多かれとの思いを込めて御祝いの言葉とさせていただきます。


おめでとうございました。


平成29年3月25日

応用生物科学部長・研究科長 福井博一


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