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掲載日:2016年10月11日

【報告】平成28年度岐阜大学応用生物科学部 『武者修行2』

応用生物科学部では、研究の質の向上や学際性・国際性の発展を目的とした若手教員(准教授及び助教)を国内外の研究拠点に派遣する、学部独自の派遣事業(応用生物科学部武者修行)を実施しています。

 

シベリアにおける人獣共通寄生虫感染症の実態

高島 康弘准教授(共同獣医学科)

期間:平成28年8月25日~8月31日
派遣先:カザン大学

 

 このたび「武者修行」にて、ロシアにおける家畜の疫学調査の手法を学ぶと共に共同研究立ちあげの契機を得たいと考え、ロシア・タタールスタン共和国のカザン大学を訪問いたしました。タータールスタン「共和国」という名前ですが独立国ではなく、モスクワから800キロほど離れたロシアの一地域です。ロシアでは少数民族の人口構成比の多い地方などを中心にこう言った名称の地方自治体があるそうで、中でもこの地域に多くお住まいのタタール人はロシア最大の少数民族とのことでした。その地域名が示す通り、街を歩いてもタタール語の表記を目にする機会が多々あり、ロシアが多民族国家であることを再認識いたしました。とはいえ皆さんロシア語とのバイリンガルで、街でロシア語が通じずに苦労するようなことは皆無です。
 カザン大学では獣医出身でもある生態学者のエドワルド・シュラレフ先生にお世話になり、ロシアにおける家畜検体のサンプリングの方法などを教わりました。また毛皮用にミンクやテンなどを飼育する農場から検体をいただくことができました。日本では肉食の動物を家畜として扱う機会はまずありませんが、感染症の環境における循環を考えるとき、げっ歯類などを捕食する肉食動物のもつ意味は大きなものがあります。肉食動物が多数人のそばで飼育されているという状況に非常に興味をひかれました。また事前に100検体以上のヤギおよびネコなどの血液サンプルを採材いただいており、これを用いて人獣共通感染所の感染状況調査なども実施できました。ごく小規模ではありますが共同研究がスタートした形で、帰国後もメールでのやり取りを介して実験データの分析を続けています。
 上記のとおり短い滞在ではありましたが、共同研究の立ち上げにつながる非常に有意義な活動ができました。この報告書を書いて「武者修行」を終了するのではなく、この訪問を契機として有意義な共同研究の展開につなげたいと考えております。渡航前の打ち合わせから検体確保のためのコーディネートなど、きめ細やかな準備をしていただいたシュラレフ先生のおかげとありがたく思っております。また最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださいました岐阜大学・応用生物科学部の皆様に感謝申し上げます。

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写真;シュラレフ先生とボルガ川中州の島にて


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