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掲載日:2015年4月 1日

【報告】表彰状授与式、卒業・修了祝賀会

応用生物科学部・応用生物科学研究科 表彰状授与式および卒業・修了祝賀会が、平成27年3月25日(水)に行われました。

 

 

祝辞

 

 ご卒業おめでとうございます。

 本日ここにご来賓の皆様のご列席の下、200名の応用生物科学部卒業生と74名の応用生物科学研究科修了生を送り出すことが出来たことを、心よりお慶び申し上げます。

 さらに、皆さんを支えていただいたご両親をはじめとする御家族の皆様、友人、そして教職員の皆様に対して、深く感謝の意を表する次第です。

 4年間の学部、あるいは2年間の修士課程での学びは皆さんにとっていかがでしたでしょうか。胸を張って充実した4年間、あるいは2年間を過ごせたと言える人も多数おられると思います。しかし、本当に皆さんの実力が試されるのはこれからの生き方であると思います。

 思い起こすと、昨年は、過激派組織・イスラミックステートによる国際テロ行為やクリミア半島などの国際紛争が大きな問題となりました。また、今年は終戦70年の節目を迎え、オウム地下鉄サリン事件20年目の年にもあたります。

 これらの事象に共通することは、事の善し悪しはともかくとして、それぞれの立場で拠り所となる考えがあり、一つの価値観で物事を計ることは出来ない世の中になってきていることです。

 私達、自然科学を探究するものにとって「真実はひとつ」という思いがあり、真実の探求が自然科学研究者にとって重要な価値観です。しかし、その理論を応用する場面では様々な選択肢が生まれてきます。

 例えば、私はバラの研究をしていますが、バラの生育にとって最適な温度は20℃です。しかし、バラの生産を行う場合には必ずしも20℃がベストではありません。重油価格が高騰すれば暖房を控えて敢えて20℃を下回る栽培管理がベストとなりますし、そこには湿度条件や日射量も大きく関係してきます。

 社会で仕事をする上では、正しいことは一つではなく、複雑に関係した事象の中からその時々に即した最適な選択肢を見いだす能力が問われます。そして、自己が持つ価値観以外の価値観をいかに理解し、調整できる能力が社会では問われることになります。

 私達の応用生物科学部の前身である岐阜高等農林学校に開学以来伝わる言葉として「凜乎真摯」がありますが、もう一つの言葉として「和して同ぜず(和而不同)」があります。相手の価値観を理解し、容認しながらも、確固とした自己の価値観を大切にすることです。すなわち、周囲の人達の考えが自分の考えとは異なる方向に収束した時の行動指針が「和して同ぜず(和而不同)」です。

 全体の空気を読んで付和雷同するのでもなく、自己の考えを単に主張するのでもありません。相手の価値観を理解した上でとことん話し合い、一致点を見いだす姿勢です。

 社会では真実はひとつではない。

 今日、卒業される皆さんが、応用生物科学部の開学以来の理念である「凜乎真摯」と「和して同ぜず(和而不同)」の言葉を改めて胸に刻み、高度専門技術者として社会に巣立っていただくことを信じて、皆さんへのはなむけの言葉とさせていただきます。

 本日は誠におめでとうございます。

 

平成27年3月25日

応用生物科学部長・研究科長 福井博一


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