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掲載日:2015年3月10日

【報告】平成26年度「中期目標計画に定めるすぐれた研究業績をあげた者」

「中期目標計画に定めるすぐれた研究業績をあげた者」
 
応用生物科学部では、中期目標計画を実現するため、学術的意義や社会、経済、文化的意義について定めた『応用生物科学部・中期目標計画・研究業績S・SS基準』に基づき、研究業績の評価を行いました。 
平成26年度は、13名の研究業績(研究業績SS:3件、研究業績S:5件)をすぐれた業績として認定しました。

 

評価:SS(学術的意義)

■応用生命科学課程 木曽真特任教授、石田秀治教授、安藤弘宗准教授、今村彰宏助教
評価の理由:
シアル酸を含有する多様な糖鎖およびそれらの脂質複合体の強力な合成法を開発し、神経突起伸展活性を有する糖鎖の合成に初めて成功した。さらに、この強力な合成手法を用いて作成した糖鎖プローブを用いて、糖鎖認識ウイルスと糖鎖の複合体の結晶構造解析に初めて成功した。
これらの研究成果は、Organic Lett(IF:5.56)、Angewandte ChemieInternational Edition(IF:12.7)、PLoS Pathogens(IF:8.91)に掲載されている。
これらを含めた糖鎖プローブによる化学生物学的研究に関する研究成果を招待講演(Development of Novel Fluorescent Glycolipid Probe for Single Molecule Imaging of Mesoscale Domain in Living Cell Membrane,Hiromune Ando, 15th Asian Chemical Congress (15th ACC). 平成25年8月19-23日、シンガポール)にて発表した。
なお、上記の学会はアジア環太平洋の28の化学系学会が一堂に会するアジア環太平洋で最大級の学会であり、運営委員会によって厳選された研究者のみが招待され講演を行う。

 

評価:SS(学術的意義)

■生産環境科学課程 小山博之教授、山本義治教授、小林佑理子助教
評価の理由:
生育する場から移動することがない植物は、環境の変化を寛容するために細胞の生理的状態をダイナミックに調節する。この研究では、プロモーターバイオインフォマティクスを基盤に、土壌ストレス、塩・乾燥ストレス、強光ストレスなどの主要なストレスにゲノム全体の遺伝子発現(トランスクリプトーム)を変化させる仕組みを解き明かした。
これらの研究成果はNucleic Acids Reserach(IF:8.808)、Plant Physiology(IF:7.394)に掲載され、IF3を超える協定大学との国際共同研究、2件の学術賞受賞(日本土壌肥料学会2013年度年会 優秀ポスター賞、日本光合成学会2013年度大会 優秀ポスター賞)、招待講演(日本土壌肥料学会シンポジウム国際セッション、日本無菌生物学会シンポジウム)をすることとなった。 

 

評価:SS(学術的意義)

■共同獣医学科 伊藤直人准教授
評価の理由:
有効なワクチンが存在するにもかかわらず、狂犬病は、発展途上国を中心に毎年5.5万人の犠牲者をもたらしている。安全、安価かつ効果の高い狂犬病ワクチンの開発により犬へのワクチンの普及率を上げること、ならびに狂犬病の治療法の確立が課題として挙げられるものの、狂犬病ウイルスの病原性に関する基盤情報の欠如がこれらを阻んでいる。我々は、病原性の異なる狂犬病ウイルス株の比較により、これまで重要とされてきたG蛋白質に加え、その他のウイルス蛋白質(N、PおよびM蛋白質)も、様々な機序を介して病原性に関与することを報告した。さらに、その知見を狂犬病ワクチンの開発に応用し、高度かつ安定に弱毒化された生ワクチン候補株の開発に成功した。
これらの研究成果は、J.Virolに4報、J.Infect.Dis1報(いずれもIF:5を超える)掲載されており、2014年9月10日、日本獣医学会賞を受賞するとともに、2014年10月19日付の中日新聞及び2014年11月8日付の朝日新聞で紹介された。

 

評価:S(学術的意義)

■応用生命科学課程 長岡利教授
評価の理由:
ローヤルゼリー(RJ)はヒト試験や動物実験で血清コレステロール(CHOL)低下作用を発揮することが知られている。しかし、血清CHOL低下作用を発揮する活性成分は未解明である。そこで、RJに含まれる成分のCHOL代謝に対する影響を評価した。その結果、RJの主要タンパク質であるMajor Royal Jelly Protein (MRJP)1が血清CHOL低下作用を発揮することを世界で初めて発見した。
本研究成果は、PLOS ONE(IF:3.543)に掲載され、世界中の食品科学の研究者が集まる「国際学会」である2nd Annual World Congress of Nutrition & Health (WCNH-2014)(2014年10月24日〜26日開催)からBioactive Compounds and Functional Foods in Diseasesのsessionでの招待講演に選ばれた。さらに、2014年8月23日付け中日新聞、岐阜新聞、中部経済新聞に掲載され、広く社会に報道公表された。

 

評価:S(学術的意義)

■応用生命科学課程 木曽真特任教授
評価の理由:
ヒトへの感染が脅威となっているH5N1鳥インフルエンザウィルスがヒト体内で受容体への特異性を変化させていることを明らかとした。合成糖鎖アレーを用いて、その特異性の変化を詳細に調査し、その特異性がヒト上気道に高発現している糖鎖に移行していることを初めて明らかにした。
本研究成果はVirology(IF:3.278)に掲載され、この業績が高く評価され、国際学会(Synthetic Gangliosides and Glycan Probes for Cell-Material Integration. 27th International Carbohydrate Symposium (ICS27), The Indian Institute of Science, Bangalore, India, January 12-17, 2014.)での基調講演として招待された。

 

評価:S(学術的意義)

■生産環境科学課程 清水将文准教授
評価の理由:
農学分野では注目されていなかった植物内生放線菌に生物防除の新規素材としての可能性を見出し、有望菌株の探索とそれら菌株を活用した実用的生物防除法の開発を行ってきた。これまでに、内生放線菌接種で耐病性組織培養苗を育成する技術やキャベツセル苗に生じる種子伝染性黒すす病を抑制する技術、ウリ科およびイチゴの炭疽病に卓効を示す内生放線菌を発見した。さらに、これら内生放線菌の防除機構を明らかにした。これらの研究成果が評価され、日本農学進歩賞を受賞するとともに、2014年12月21日付け中日新聞にも掲載された。
 

評価:S(学術的意義)

■生産環境科学課程 松村秀一教授
 共同獣医学科 齋藤正一郎准教授
評価の理由:
味覚情報伝達に関わる物質や受容体の存在量を各種霊長類の臓器で定量解析した結果、コモンマーモセットで特異的に、これらの物質のmRNAが盲腸や大腸などで舌と同量もしくはそれ以上に発現していることを確認した。また、免疫組織染色法を用いて、これらのタンパク質が存在している細胞を特定した。これは、近年、ヒトやマウスで注目を集めつつある消化管での「味覚」の役割の解明に貢献できることが期待される成果である。
これらの研究成果は、Biology Letters(IF:3.425)に掲載されるとともに、2013年7月10日付け岐阜新聞、2013年7月11日付け中日新聞をはじめ、朝日新聞、京都新聞、読売新聞等に掲載された。 

 

評価:S(学術的意義)

■共同獣医学科 椎名貴彦准教授
評価の理由:
食道は、摂取した食物を口腔から胃へと運ぶ臓器であり、その運動は筋および神経系により制御されている。食道運動の新しい研究方法を開発するとともに、その方法を用いて食道運動の制御にカプサイシン感受性神経が関与することを解明した。また、スンクスという特殊な実験動物を用いた実験方法によって、食道筋の収縮反応にセロトニンが関与することを明らかにした。
これらの研究成果は、The American Journal of Physiology -Gastrointestinal and Liver Physiology(IF:3.737)に掲載されるとともに、第56回日本平滑筋学会総会において優秀演題賞を受賞した。


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