国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 応用生物科学部

食品分子機能学研究室

研究内容

  1. ラクトスタチンの媒介する新規コレステロール代謝調節系の解明
  2. 食品由来脂質代謝改善ペプチドの特定・網羅解析・作用機構解明・高機能化
  3. ポリフェノールの媒介する新規脂質代謝調節系の解明
  4. 食品由来ペプチドの抗肥満・抗糖尿病作用
  5. 長寿関連遺伝子を活性化する食品成分に関する研究

1.ラクトスタチンの媒介する新規コレステロール代謝調節系の解明

これまで、どの起源のタンパク質からも、in vivoで機能するコレステロール(CHOL)代謝改善ペプチドは発見されていなかった。我々はCHOL代謝改善ペプチド(IIAEK)を世界に先駆けて 初めて発見し、IIAEKを「lactostatin:ラクトスタチン」と命名した。外因性オリゴペプチドの媒介するCHOL代謝調節系は、未開拓の研究領域である。我々のラクトスタチンの発見は、タンパク質のアミノ酸配列には、未知のCHOL代謝調節シグナルが潜在している可能性(新仮説)を示すもので あり、現在、ラクトスタチンの媒介する新しいCHOL代謝調節系を探索中である。
https://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/g_lec/special/35_nagaoka.html
https://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/publications/back_ibuki/35/p01-p02.pdf
https://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/publications/back_ibuki/35/p06-p09.pdf

2.食品由来脂質代謝改善ペプチドの特定・網羅解析・作用機構解明・高機能化

我々は、動物実験評価だけではなく、ヒト臨床試験を含めて、従来の大豆タンパク質よりも極めて強力なコレステロール代謝改善作用を発揮するリン脂質結合大豆ペプチド(CSPHP)を世界で初めて開発した。厚生労働省に許可された新しい特定保健用食品素材(CSPHP)を含む、特定保健用食品「コレステブロック」が誕生し、現在販売中である。

3.ポリフェノールの媒介する新規脂質代謝調節系の解明

さまざまなポリフェノールの抗動脈硬化作用が注目されている。我々は大豆ゲニステインの抗動脈硬化因子(アポリポタンパク質A-I:アポA-I)遺伝子発現に対する機能を遺伝子工学・分子生物学・細胞工学的手法により検討し、ゲニステインによるアポA-Iの転写活性化には、エストロゲン受容体が関与するこ とを世界で初めて明らかにした。