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食品流通工学研究室

研究内容

研究内容

青果物鮮度の定量的測定法の開発

 青果物の鮮度は、もっぱら、色や萎れ具合などの外観変化を評価基準にして判断されていますが、どうしても客観性に欠きます。本研究室では、老化進行に伴う細胞膜の過酸化・分解現象に着目した新規な定量的鮮度評価法を考案して特許化しました(JST特許データベースJ-STORE)。現在、高精度・簡便化に向けた検討を行っているところです。具体的には、老化過程における脂肪酸組成の変化や脂質過酸化分解物の精密定量に基づく解析を実施すると同時に、他研究機関と連携して、膜分解関連の遺伝子発現(千葉大,(独)農研機構 食品総合研究所)や脂質分解物由来の揮発性成分の探索(神奈川県農業技術センター)、細胞膜物性(水透過性)の変化(神戸大学)など多面的な検討を進めているところです。これらの研究は、文部科学省科学研究費補助金(基盤研究B(H24-27)、基盤研究A(H28-H30))にて実施されています。

 また、生鮮の緑豆類野菜については、見た目は変わっていないけど鮮度が低下した時点で、スタキオースという糖が生成される始めるという現象を発見し、スタキースが検出されなければ「新鮮」、逆に検出されれば「新鮮ではない」という鮮度判定手法を開発しました(JST特許データベースJ-STORE)。この原理に基づく鮮度判定の簡便・低コスト化に向けて、薄層クロマトグラフィー法の利用について検討しています。研究の一部は(独)科学技術振興機構 H24年度研究成果最適展開支援プログラムFS検索タイプによって行われました。この研究成果は、平成26年1月24日の岐阜新聞朝刊にも取り上げられました。(https://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20160124/201601240918_26593.shtml

見た目では本当の「鮮度」はなかなか分からない(25℃で3日間貯蔵した枝豆)

TLC法による簡便鮮度判定

青果物の超長期貯蔵技術の開発

冷凍に替わる新規な長期貯蔵技術の開発を目指し、ガスハイドレートの内部生成に伴う収穫後の代謝活性抑制を原理とするユニークな貯蔵法について検討しています。ガスハイドレートの内部生成の様子をX線回折法や密度分解能に優れる位相コントラストX線CT法で定量・3Dイメージングすると同時に、品質に関わるビタミンや糖などの基本栄養素や硬度や色などの変化について評価し、最適な処理条件について解析しています。本研究は、H26-27文部科学省科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)により東京大学や(独)産業総合技術研究所との共同研究のもとに実施しています。

数学モデルによる最適MA包装設計技術の開発

 Modified Atmosphere 包装(MA包装)は、包材の選択的ガス透過性と青果物自身の呼吸により、青果物の代謝活性を効果的に抑制する低酸素・高二酸化炭素環境を包装内に創出して、青果物の品質保持を図る技術です。その包装設計では、包装する青果物の呼吸量に応じたガス透過性を有する包材を選択することが鍵となりますが、これをコンピュータシミュレーションによって定量的に推定するための数学モデルの開発を行っています。

 右上の写真は、一度に100kg程度のキャベツを梱包できるバルクコンテナです。この内袋にもMA包装技術を活用して長距離、長時間の輸送や貯蔵に対応できるようになっています。(H22年度新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業(農林水産省)による成果)

 右下の写真は、岐阜県美濃市と連携して特産化を目指している「仙寿菜」のパッケージです。仙寿菜は岐阜大学で開発された抗酸化性の高いベタシアニンを豊富に含む新しい野菜です。そのパッケージにもこのMA包装技術を活用して、栄養豊富な商品を食卓に届ける工夫を凝らしています。美濃市の仙寿菜における鮮度管理は当研究室が全面的にサポートしています。


キャベツのバルクMA包装

MA包装された美濃仙寿菜

その他共同研究など

岐阜県特産のアユや柿の輸出を実現するための鮮度保持技術の開発を岐阜県所管の各研究所と共同研究を実施しています。


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