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動物管理学研究室

研究内容

研究内容の概説

当研究室は、以下の2つのテーマを掲げ、研究を行っています。

1. 動物の飼育管理とアニマルウェルフェア

 我々人間は、畜産物の生産、動物種の保全など、様々目的で動物を飼育しています。これら飼育目的を果たすには、動物の能力を上手く引きだせるように、普段の飼育管理をしっかり行う必要があります。例えば、餌が足りずに空腹な状態であれば動物は良く成長するでしょうか?管理が不十分で不適切な環境で飼育された動物は上手く繁殖できるでしょうか?飼育下で動物がより良く生活し、その能力を十分発揮できるように飼育管理することが重要です。

 この動物が良い状態で生活していることを表す言葉が、アニマルウェルフェアです。アニマルウェルフェアをしっかり管理することは、動物飼育の目的達成の鍵となると言えます。

 アニマルウェルフェアの管理で重要なのは、動物そのものを観察し、動物の肉体的・精神的健康状態を正確に把握することです。当研究室では、アニマルウェルフェアについて生物学的、行動学的、客観的評価を行い、その評価をもとに動物の飼い方をより良くすることを目指しています。

◎飼育現場でのアニマルウェルフェアの評価

 畜産農場や動物園など動物を飼育する現場において、アニマルウェルフェアの管理を実行し、改善する取り組みとして、アニマルウェルフェアの評価に関する研究を行っています。その中で、ウマのウェルフェア評価方法の開発を行いました。この内容は、馬のウェルフェア飼養管理評価マニュアル(公益社団法人 日本馬事協会 2017年3月)として生かされています。

 また、飼育下でも動物は様々な行動を行います。行動にはその個体のウェルフェアに関する情報が含まれるため、アニマルウェルフェアの管理に活かすことができます。例えば、当研究室では行動指標として、ウシの睡眠様姿勢、ウマの授乳行動(写真1)を研究しました。後者の研究から、子ウマのウェルフェア管理(生後初期の体重増加)に使用できる可能性が示唆されました。

1. 授乳行動 2. 環境エンリッチメント
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◎環境エンリッチメント

 環境エンリッチメントは動物の行動発現に重点を置いた飼育管理技術です。特に動物園でよく実施されています(写真2、京都市動物園)。一方、アニマルウェルフェアへの影響については、客観的な評価が必要です。これまで、肥育牛の自己身繕い行動を刺激するブラシの設置などの効果を検証しています。

2. 飼育動物の行動発現に関する動物行動学

 この研究テーマでは、飼育下における動物の行動発現を研究対象とします。動物行動学の観点から、その機能、動機付け、発達など、を研究します。

 例えば、常同行動や飼繁殖牝馬における授乳時の忌避行動 (子ウマへの授乳を避ける行動)をこれまで研究しました。前者は飼育下にある動物特有の行動であり(例、写真3)、アニマルウェルフェアの指標にもなる行動です。後者は、子ウマにとって母乳からの栄養摂取が不足することに繋がり、ウマの生産・育成を考えると非常に問題となる行動です。

 また、飼育下における動物の行動発現の制限に関する研究を行っています。飼育下では様々な理由により動物の行動発現が制限された状態にあることから、動物の行動発現を動機付ける要因を分析するなどしています。この研究成果は、環境エンリッチメントの原理として、教科書(動物の飼育管理、文永堂出版)の中で解説し、また総説論文としてまとめました。その他にも、繋留飼育に伴うウシの行動欲求不満の研究も行いました。運動場にウシを放した後の跳ねる行動(写真4)などを指標に用いて分析を行いました。

3. 常同行動(ウシの舌遊び) 4. 跳ねる行動 
写真1(舌遊び).png ウシ_とびはね.jpg

最近の研究活動についてはこちらのページも参照ください。


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